ルポライターである著者と発達障害の奥様との18年間が書かれた
「されど愛しきお妻様」を読みました。
41歳で脳梗塞により高次脳機能障害になり、自身も出来ないことが増えて
お妻様の苦しさが理解できて、自分の障害も受け入れることができるようになる過程が
ユーモアたっぷりに表現されていて、一気に読めました。
私も、発達障害の人のことを理解しているつもりでも、実際には理解できてなく、
その都度、悩んでいましたが、当事者は周囲の人以上に、
やりたくても出来ないことが多い自分に傷つき悩んでいることを再認識しました。
そして、人は一人では生きていけないんだなと。
お妻様が病気になって苦しんでいた時の、著者とお妻様との生きる姿勢の違いは
凄く分かる気がしました。
同じように病気と向き合っていても、方向性が違えば、感じ方など違って、
向いている方向が違うので、会話や生活の在り方も変わってきます。
私ががんの治療前や治療中に感じたことと似ている気がしました。
不自由を障害にするのは、周囲の環境であり、家族であり社会
「されど愛しきお妻様」より
私が以前、知的障害や発達障害がある人たちと一緒に働いていた時に、
彼らは出来ないことがあるけれど、できる事も多く、
彼らの出来ない部分を少し手伝う事で、とてつもない力を発揮してくれました。
私の苦手な仕事も、難なくこなしてくれて、どれだけ助かったことか分かりません。
そんな環境があれば、障害は障害ではなく、少しの不自由になります。
障害や病気があってもなくても、生きやすい世の中でありますように。
私も、その時々で相手の事を考えながらの動きと、
発する言葉に気をつけて生きていきたいものです。
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今回、図書館で7人待ちで借りて、私の後に20人近くの順番待ちだったので
大急ぎで読んでしまいました。
今度は購入してゆっくり読みたいと思います。