本当に必要な人に適切な支援を

今日の夕方、また悲しいニュースがありました。

先日、大阪市で二人の遺体が見つかった事件で
「最後にもっとおいしいものを食べさせてあげられなくてごめんね」と書いたメモが見つかったとのこと。

生活苦から将来を悲観しての無理心中かも知れないとのことだそうです。

このようなニュースを聞くと、必ず思い出すのが、数年前に京都であった悲しい事件。

認知症の母の介護をしていた男性が、生活に行き詰まり、
最後の親孝行に京都を観光した後、
河川敷で「もう生きられへん。ここで終わり」と母の首を絞め、
自分も首を刺したが、奇跡的に男性は命を取り留めた事件です。

裁判で、「母を抱きしめるための手で、母を殺めてしまった。
この手は、そんなためにあったのか」というような内容のことを話したとニュースで聞き、
母親に対する愛情と、どうしようもなかった心理状態を感じ、
ニュースを聞きながら涙があふれました。

母親の介護のために仕事を辞め、失業保険が切れ、貯蓄も底をつき、
カードローンの貸し出しも限度額を超え、
生活保護の相談に行ったとき「がんばって働いてください」と断られ・・・。

母親の食事はしっかりと作り、自分は2日1度の食事。
昼夜問わず、ひとりでの介護。
その合間に、行政に相談に行っても、むだ足。

相談する人がいなかったのか? もっと他に方法はなかったのか?
そんなこと言うのは簡単ですが、追いつめられた当事者にしたら他になかったんですよ。
どんな孤独と絶望感にあったか、想像しても追い付きませんが、胸が痛みます。

 

この事件から、6-7年は経っていると思いますが、
この男性は、今どこでどうされているのでしょうかね?

「介護は大変だったけれど、嫌ではなかった。
子どもに戻っていく母がかわいかった。もう一度、母の子として生まれたい」

そんな話をしていたと聞いた記憶があります。

とすると、介護疲れというより、
経済的に追い込まれ身動きができなくなったのではないでしょうかね。

 

ますます、貧困の差が激しくなっている世の中。

経済的に追い込まれ、精神的に追いつめられて肉親を殺したり、
心中してしまうニュースが少なくなりません。

本当に必要な人に適切な支援が行き届くよう、
追い詰められている人たちに気が付かない、または見て見ぬふりをしないよう、
私にできることは何でしょう?

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