どんな診察をして治療法がないと判断したのだろう

このところ、両親のことを思い出すことが多くなりました。

私の母はALSと、どこかのがんでした。

27年前なので、インターネットも普及していなく、
病名を聞いて、図書館などで簡単な医学書を見るしか情報は得られず、
また、私は、母が重い病気になるとは思いもしなかったので、
病名を聞いても「ふぅ~ん」って感じでした。

でも、何度も何度も検査入院し、治療をし、
それでも、全く良くならないどころか、どんどん悪くなっているように思えて、
なぜ治らないんだろう?難病って何?と思い始めました。

当時の地元で一番信頼できると言われていた病院で治療しているのに
良くならないのならば、どこか別の病院で、
もう一度調べてもらった方が良いのでは?と思い、
軽い気持ちで両親に「東京の病院とかでもう一度診てもらえば?」
と言ったのです。

今ではセカンドオピニオンは当たり前になっていますが、
当時は、「そんなことをすると、主治医が良く思わないし、
教授に知られたら治療をしてもらえないかも知れない」と言われました。

なぜ、他の病院で検査すると、治療してもらえなくなるのか分からないし、
会ったこともない教授って何者?って、私は思っていました。

でも、両親や親せきは、他の病院に行くなんてダメだと言っていたので、
私も自分の言ったこと自体、すっかり忘れていたのですが、
ある日、両親が東京に行ったので、2~3日帰らないというのです。

のんきに遊びに行ったのかと思っていたのですが、
なんと、予約もしないで、東京の病院を回ってきたと言うのです。

その無謀な行動に驚いたのと、すごいな~って感動したのを覚えています。

でも、帰ってきて、何事もなかったように、地元の病院に通院していました。

詳しく聞きたかったけれど、一方では聞いても分からないという思いで、
しばらくたったある日、
「東京の病院では治療方法はなく、今の病院で治療してもらえているのなら、
それは良かったですね」と言うようなことを言われたらしいと
妹から聞いたのです。

治療方法がないって、どういうこと?

東京の病院で治療できないのに、なぜ地元の病院で治療が出来るのだろう?

それだけ、凄い病院ってこと?

など、????がたくさんだったのですが、
田舎者の2人が、良く分からない東京に行って、いろんな病院を回り、
そんな絶望的なことを言われ続けて帰ってきたのかと思うと、
どれだけ辛かっただろうかと、もう、その件については
触れてはいけないことのように思えてきました。

そして、検査と治療を受けさせてもらい、力尽きたのです。

私は、東京の病院に行った両親を、本当に凄いと思うし尊敬します。

治療方法がないと言われたのも、今になれば、何となく納得できる気がします。

でも、ひとつだけ疑問が。

1日で2件くらいの病院を回ったって言っていたので、
診察と検査は簡易的なものだと思うのです。

それなのに、治療方法はないって判断したってこと?
そんな簡単に判断できたのかな?って思うのです。

田舎者を長い間、東京に引き留めたり、検査の順番待ちをさせるより、
一般的な事例で言ってくれたのかな?

今となっては、本当に、そんな診断をされたのか分からないし、
どうにもならないことだから良いのですが、
両親を想い出すたびに、2人で東京の病院を回っている姿が見えるようで、
少々、切なくなります。

hiraboさんによるイラストACからのイラスト です。