乳がんに罹患して、がん患者の仲間入りをした私ですが、
乳房温存なので、全摘をした人の仲間には入れず、
抗がん剤治療をしていないので、抗がん剤治療を経験した、
がん患者さんの仲間には入れない気がしていました。
その後、子宮体がんに罹患して、抗がん剤治療を経験して、
ようやく、一人前のがん患者になれた気になって、
抗がん剤治療を経験した患者さんの仲間に入れた気がしました。
そして、抗がん剤治療が終わって、罹患前と同じように仕事をして、
通院の感覚も長くなり、検査の回数も減った今、
再発や転移をしたがんと闘っている患者さんの仲間には入れません。
話をしていても「軽い乳がんか」って言われたように、
「再発や転移をしていない人に分かるわけない」という空気がビンビン伝わってきます。
でも、当然なんですよね。
経験しないと分からない。
経験していても、置かれた環境や病気に対する考え方によって全く違う感じ方になるし、
みんなが同じとは限らない。
でも、私が抗がん剤治療中に感じた、孤独や絶望感。
そんな中で、「病気の人間を孤独にしてはいけない」と感じたこと。
がん患者だけれど、がん患者ではないようで、
でも、すぐにヘタってしまい、病気になる前とはちょっと違うと言う中途半端な人となってしまったけれど、
「治療が終わり元気になったら、元気ながん患者として、
孤独で病気と向き合う人がいなくなるように何かしていきたい」と思ったことを忘れずに、
これからも過ごしていきたい。