また大切な人がガンに奪われてしまった

子宮体がんの抗がん剤治療をしていた時、

通院するたびに病院で出会う人がいて、いつしか、通院日を合わせるようになり、

診察後にはみんなで食事をして帰るようになりました。

私以外の人たちは、整形外科に通院されていたのですが、

整形の主治医が病院を移動されたのを機に一緒に転院され

いつしか会わなくなってしまいました。

 

ただ、その中の一人は、乳がんにも罹患されていて、乳がんの主治医が

私の主治医と一緒だったので、時々、待合室でお会いすることがありました。

 

1年前にお会いした時に

「もう最後の手段で、抗がん剤治療をしてみるんだけれど、

抗がん剤治療って辛いんでしょ?

髪の毛抜けるの?歩けなくなるの?」

と、かなり不安な様子でした。

抗がん剤の種類によって副作用は違ってくるので、一概には言えないけれど、

辛かったらすぐに主治医に話して、副作用を抑える薬を出してもらうなり

治療自体を中止してもらうとかできるからと話して、

またお会いしましょうねと言ったキリ、なかなか会う機会がありませんでした。

 

その後、私も転院したので、病院ではお会いすることがなくなり、

連絡先も知らないので、共通の知人に「皆さん元気で過ごしていらっしゃいますか?」と

近況報告のメールをする程度でした。

でも、その知人からも、何の返事もなく、寂しく思っていたのですが、

久しぶりに連絡があり、乳がんの治療をしていた人が

お亡くなりになっていたことを知りました。

 

かなり進行していたとは聞いていましたが、そんなに早く?と

衝撃で体が震えてしまいました。

しかも、彼女のご自宅は私の住んでいるところから歩いて行ける範囲だったと知り、

ますますショックでした。

 

こんなに近くに居ながら、何も知らなかった何もできなかった。

そして、あんなに抗がん剤治療を不安に思っていた人に対して

私の話したのは正しかったのだろうか?

もっと他に出来ることはなかったのだろうか?と

悔しい想いでいっぱいです。

 

それに、何度かメールしても1年以上もスルーされてきた人から

なぜ今頃メールが?と、その事もとても意味深く感じます。

 

命に別条のない怪我で手術をしなければいけなくなり、

そのための検査で乳がんが分かった彼女。

いきなり「がん」を宣告されて、長い治療にはいらなければいけないショックで

動転していらっしゃったのが、昨日のことのように思い出されます。

 

辛い治療の中でも、またみんなで食事に行きたいと話されていたそうです。

 

 

また一人、大切な人がガンに奪われてしまいました。

ガンなんて…。

 

彼女の安らかなお眠りをお祈りしたいと思います。