病気で失った一番大切なもの

がんに罹患する前、精神のバランスを崩して

かなり大変なことになっていました。

その時に失ったもので、今、最大の後悔になっているものがあります。

それは、友人です。

 

目標としていたことが叶わなくなったことが発端なのですが、

働いていなかったので、仕事探しが大変で、

そして、その時も勤めた会社はクビになって、外に出るのが億劫になっていました。

 

そんな中でも、古くからの友人は頻繁に連絡をくれて、

いつも心は寄り添っていてくれたのですが、

その当時の私は、それが煩わしかったのです。

 

いつもダメダメな私と、いつも力いっぱい生きている友人。

友人がまぶしくて、心配するフリをして内心はバカにしているのではないか?

なんて考えてしまっていました。

 

友人への甘えもあり、つい意地悪な言葉を発したりして、友人から離れたくなり、

そして、自然とあまり連絡を取らないようになりました。

 

少し落ち着いてきた今、友人と話したいろんなことや、

いつも温かい言葉をかけてくれたことなど思い出し、

尋常な精神状態ではなかったといっても。

自分はなんてひどいことをしたのだろうかと後悔しかありません。

 

1年前までは電話も手紙も届いていたのですが、今はもう、

連絡がつかなくなり、思えば、友人の年齢や家族構成、

本名すら知らなかったことに気が付きました。

 

その友人だけではなく、離れていった人はたくさんいて、

失ったものの大きさを、今さらながら感じています。

 

苦しい時こそ、人に優しくできる心を持ちたかったな。